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モノしろ の 「し」

モノしろ の 「し」

モノしろ3

6月10日

紗代菜:「なおくん・・・・?なおくん。起きて?」
優明:「ん・・んにゃ・・・保奈美、後五分・・・・。」
紗代菜:「もー、なおくんったら。しょうがないなぁ、遅刻しちゃうよ?世界タービン号の出番になってもいいの?」
優明:「ああ、乗せて行ってやるよ・・・・・・・・・」
優明:「って、何俺もお前も『月が東に日が西に』やってるんだうおおおおーーい!!!俺たち蓮美台学園行っちゃうところだったよ!!つかなんでお前が保奈美を知っているんだよ!!」
ノリ突っ込みは今日も紗代菜の協力のお陰で完璧だった。いや、地(じ)か・・・・?
紗代菜:「あはは、ユウくん、おはよー。ユウくんが起きるの遅いから、ちょっとやらせてもらってたんだ~。」
え?あれ、18禁なんだけど!?ま、まあいいや。きっと途中までしかやってないんだろう。セーフだセーフ。
紗代菜:「でもユウくん、○○○って何?なんで××××あの人たち××××???」
うああぁぁーやってた・・・・・。

そんなこんなで、紗代菜と仲良く登校した。
いい旅、夢気分。しろまるは人間になっていないのでカバンに入れて持っていくことにした。

朝のSHR。いつも通り先生からの連絡だ。
神崎先生:「えー、不審者情報が入った。」
またかよ。最近多いんだよな。
神崎先生:「なんだか、そいつは女子のパンツを手につかんで、意味不明なことを叫びながら町を走っていたそうだ。みんなも気をつけろよ。この学園の生徒じゃないかという話もあるが、さすがにそれは無いだろ、ははは。以上だ。起立!」
そ、それは俺だぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!頭を抱える俺。
神崎先生:「ん?どうした、高井。頭なんか抑えて。痛いのか?」
優明:「はい、すごく痛いです・・・・。」
神崎先生:「じゃあ保健室にでも行ってろ。」
優明:「よかった・・・・刑務所じゃなくて、保健室でいいんですね・・・。」

クラスの女子たちが心配そうに見守る中、俺は一人保健室へと旅立った。

保健室。扉をそぉっとあけて入ろうとする。
優明:「失礼しま・・・・」
ギシギシアンアンギシギシアンアン・・・・・・パタン。
優明:「・・・・した。」
お取り込み中だったので一旦退出した。
そしてあたりの様子をきょろきょろうかがいながらポケットに入っていたICレコーダーをおもむろに取り出す。薄ら笑いをうかべ、録音ボタンへと手をのばし・・・・と妄想してみるが俺はICレコーダーなど持っていないし、そんなことはそもそもしない。
優明:「はぁ、ICレコーダーがあればなぁ・・・。」
黒夢:「呼びましたかっ??」
目の前に、黒夢ちゃんが。
今この子が保健室に入ったら相当まずい。もちろん、俺でもまずいのだが。
優明:「黒夢ちゃん!今すぐこの保健室から離れるんだッ!」
黒夢:「えっえっ?なんでですかっ??」
優明:「いいからはやく!」
黒夢:「は・・はい!」
たたたっと走ってゆく黒夢ちゃん。ふぅ・・・。
これで今も昔も騒がれる「小さな子供への悪影響」は防げたな・・・。
女子生徒:「だっだれかいるの!?」
保健室の中から声。まずい、黒夢ちゃんに大きな声を出したから気付かれてしまった!?
優明:「は?だれもいませんよ??」
半分逆ギレ状態で教室へ戻る。これで、なんとかなっただろう・・・。
ならねぇよ。

それにしても黒夢ちゃん、この学校は危ないって言ったのに!!
一刻も早く見つけ出し、「保護」しないと、最悪の場合、「監禁」されてしまう。
ここらの生徒は、犯罪のことしか考えていないし、先生方も犯罪者そのもの。全員が相当な実力者だ。
・・・・早く保護しなくては。

どこを探しても見つからないので黒夢ちゃん探しは諦め、教室へ戻り、普通に授業を受けた。これだけ探していなかったのだから、きっともう学校にはいないのだろう。
それなら安心だ。学校よりも外が安全だなんて・・・・普通逆だろ。

休み時間。
『君のー金ー僕ーにくーださい~♪お願いです~め~ぐ~んで~♪』
優明:「う~ん、やっぱり、『めぐ恵める?』はいい曲だなぁ・・・。」
「しろまる」に入っている、ゲームの曲を聴いて言う。
長野:「俺は、―はげ禿二つ―もかなりいいと思うぞ??」
長野がやってきて、自分の意見を述べる。
長野:「あと、『あな穴』もいいよな。あれってどこかの民族音楽らしいぜ。」
優明:「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー・・・。」
そして、その会話を自分の席でじっと聞いている卓男クン。
卓男:(2004年の最高傑作と謳われる、ウラナドULANNADの話か・・・。僕、まだやってない・・・・。)
優明:「いやぁ、あのゲームはおもしろかったなぁ、長野!!」
長野:「ああ、もう、ふうじゅ風樹には泣いたね。あれ最高。」
卓男:(えええええっ!!!風樹がでるの!!??買うしかねぇよ!!)
注・風樹・・・風子と双樹が合体したようなキャラクター。
長野:「ヒトデですっお兄さん!」
優明:「あははははは。うまいうまい(風樹の真似が)」
ボン。
音がして、俺のカバンの横に現れる白い人影、その名は白丸。またか。
白丸:「白丸、ここにさ・ん・じょッ!!!」
シャキーンとポーズを決める白丸。バックミュージックは五星戦隊★ダイレンジャーだった。わかる俺もすごい。
クラス女子:「きゃぁっこの人だれ??この前もここにいたよね!??」
クラス男子:「おい、優明、この見かけが18~21歳くらいで身長は175センチ、色白で目が細めで割と美形な人誰だよ???」
クラスの男子が俺に尋ねる。いままであまり詳しく公開されていなかった白丸の容姿を説明してくれてありがとう・・・。
しかし、みんなにはどう説明したらいいのだろうか。

優明:「こいつは俺の友だち。悪いやつじゃないからみんな仲良くしてやってくれ。」
クラス全員:「はーーーーい」

・・・よかった、こいつら馬鹿だ。

その後「何で目が細いの?何で目が細いの?」とクラスのみんなから質問攻めにされていた白丸がなんかキレて、家に帰ってしまうという事件が発生した。

キーンコーンカーンコーン

今日もまた学校が終わった。さて、帰るか。
教室を出ようとする俺に、長野が声をかける。
長野:「おう、優明。お前、今日は部活やっていかないのか?」
優明:「ん?俺は今日、囲碁部のつもりなんだ。だから早く帰るわけ。お前も帰らないか?」
長野:「そうか、悪い。あいにく、俺は今日はサッカー部のつもりなんだ。脳内でリフティングやらなきゃいけないから。じゃあな。」
そう言って教室に残る長野に別れをつげ、廊下をマッハの速さで横切る紗代菜にタイミングよく声をかける。
優明:「おうい、紗代、帰ろうぜ。」
紗代菜:「うん、いいよー?ただし、私を捕まえられたらね?」
がしっ。
紗代菜を捕まえる俺。
優明:「おい、つかまえた・・・・」
するっ
制服の上着をするりと脱いで逃げ出す紗代菜。
優明:「そこまでする!?」

帰り道。
優明:「そういや、今日黒夢ちゃんが学校に来てたぞ。留守番させてなきゃ危なくないか?」
それを聞いて、少し考える仕草をする紗代菜。そして言う。
紗代菜:「たぶん、黒夢ちゃん、今日は白丸君が来ないから心配で、紗代たちのところに来ちゃったんだよ。」
あ・・・。そうか。
そういえば白丸は一昨日から黒夢ちゃんのめんどう見ることにしていたんだったな。俺がしろまるを学校に持っていったら、黒夢ちゃん、一人になってしまうのか。
優明:「そうか・・・。悪いことをしたな・・・。」
紗代菜:「ううん、気にしてないよ?」
優明:「黒夢ちゃんに、悪いことをしたなと言ったんだが・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
優明:「ただいま。」
両親のいない家に帰ってくると、何か俺の部屋から声がする。

白丸:「黒夢、お前漏れまくってるじゃないか・・・・。」

・・・!?なんだと・・・・?
いまのは、まさしく白丸の声。
・・・・何を言っているんだ??いや、何をやっているんだ!!
部屋に入るのが危ぶまれた。続いて黒夢ちゃんの声。
黒夢:「お兄ちゃん、あんまりいじらないでよぅ・・・・。」
白丸:「黒夢、入れるぞ・・・?」
黒夢:「ま、待ってお兄ちゃん、私のここには、そんな大きいの入らないよ・・・。。。あぁ、違う、そっちじゃなくて・・・・後ろの穴に入れて?お兄ちゃん?」
白丸:「ん?後ろの方か。黒夢、後ろ向け。」
随分官能的な会話が聞こえる・・・ゴクリ・・・いや、そうじゃなくて、止めなくていいのか?俺。気配から察するに、黒夢ちゃんは後ろを向いたようだ。
白丸:「ふぅん・・・。黒夢の穴って、こうなってるんだ・・・。」
黒夢:「ちょっとお兄ちゃん?そんなに覗き込まないでよぅ。」
白丸:「んで。ここでいいのか?黒夢?」
黒夢:「うん・・・ここでいいの。あぁ、はやく、早く入れて?漏れちゃってるの・・・恥ずかしいよ・・・っ!」
白丸が黒夢ちゃんの穴に、入れた、ようだ。
黒夢:「もっと奥まで入れて・・・。もっと奥・・・・。」
白丸:「ああ。痛くないか?黒夢・・・?」
黒夢:「ああん、う、動かないで、お兄ちゃん・・・。と、飛んじゃう・・・!!」
白丸:「少しくらいいだろ。ほらほら。」
お兄ちゃんは動きまくっているようだ。
黒夢:「そんな乱暴にしたら、私、壊れちゃうよ・・・・。」
あああ!少し聞き入ってしまったが良心が咎める!!
僕は、兄弟でこんなことするのはイケナイことだと思います!!!
ダメだダメだっ!!もう止める!!
白丸:「これ、流れ込んでるのか?」
黒夢:「うん、ちゃんと流れ込んでるよ・・・。」
優明:「白丸!!!黒夢ちゃん!!!もうやめろ、やめるんだっ!!」
バン!と扉を開けて言い放つ。もちろん目をつぶって。
白丸:「ん?優明じゃないか。おかえり?や、やめろって、お前がやっとけって言ったんじゃないか。」
優明:「な、何?そんな無責任なこと、俺言ってな・・・」
そう言いつつ目をだんだん開けると、そこには、白丸と黒夢ちゃんが普通に立っていた。
もちろん、やましいことは何一つしていない。
ただ一つ変わったことがあるとすれば、白丸から延びたコードが黒夢ちゃんの背中のあたりに差し込まれているということだけだ。
優明:「・・・・へ?お前ら、今何してたの??」
なにがなんだか分からない俺。白丸が答える。
白丸:「俺は黒夢から、お前に言われた曲を貰っているだけだが。」

曲・・・??
曲、ねぇ・・・。
あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思いだした。
それは、昨日の出来事。
コスプレで参上した紗代菜とのたわいもない会話。
優明:「ネコミミモードっていう、神のネタ曲がなかなか手に入らないんだよなぁ・・・。」
紗代菜:「えっ?ユウくん、それ、私もってるよ。」
優明:「えぇ!?マジ?なんで持ってんだよ??くれ!!」
紗代菜:「うん、いいよー。じゃぁ、明日、黒夢ちゃんから、白丸君に移すよう言っとくね。」
優明:「うはおkkkwwwww・・・・ありがとう。」

とまぁ、こんな感じの事があったのだった。白丸は黒夢ちゃんからネコミミモードを貰っていただけだったのか。
入れるだとか奥だとかいうのは、コードを入れるということで、大きいだのこっちの穴だのというのは、コードを入れる場所を一回間違えただけ。
動くと飛んじゃう、っていうのは、音が飛んじゃうということか・・・。
流れ込んでいるというのは、曲がきちんと流れ込んでいるか確認したわけだな。
優明:「で、でも、漏れてるとかなんとか言ってなかったか??」
白丸:「あぁ、黒夢は、コードを何もつながないでいると音が外に漏れちゃうんだよ。で、移してる曲があんな曲だったから、黒夢も恥ずかしかったんだろう。」
黒夢「ゆ、優明さん、おかえりなさいっ。曲、お兄ちゃんに入れときましたからっ」
二人を交互に見る俺。ああ、なんて紛らわしい会話だったんだ・・・!!
白丸:「優明、もしかして、変なこと想像しちゃったんじゃ・・・・」
黒夢:「へんなこと?優明さん、どういう意味ですか??」
優明:「どんな意味もないですよ?」

不審な目で見つめられたが、無視した。




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